PCオタクの買い物には迂闊につきあうな 後日談

 

「ああジェクト。例のモニターなのだが後日談がある。」
「ぎく! な、なんだよ今度は何があった。」
「いや、そなたが怯えるような部類ではない…。まあここで言うのも何かというネタなのだがな、中の人が当ジャンルでお世話になった方が訳あってモニターを買ったそうでな。」
「おう、そりゃまたすげぇタイミングつうか…で?」
「買いに出かけた際例の三菱モニターを偶然発見した旨ボイスがあってな。」
「あ!? 同じのかよ。」
「ああ同じだった。あの話は型番まで書いていないから全くの偶然だな。でだ。」
「おう。」
「お揃いだー、などと中の人が騒いだせいか思いきって買われたところ、印刷とモニターにほとんど色差がなかったらしく、大変喜んでおられた。」
「わお。そりゃめでてぇ。」
「うむ。書いた人だけ楽しいPCネタだったが、思いもよらぬところで役に立てたようで少し嬉しかったのでな。お前にも知らせておく。」
「ああ…そりゃあ俺も…報われたわ…!!!(男泣)」
「それもあってなあ…あの後の中古モニターの行方は、さすがにくどい話になるからと思ってしていなかったのだが、こういう事があるならばきちんとマイナス面も説明しておかねばと思うのだ。」
「Σぎく―――! そ、そういう話かよ!!」
「これからもこんな事があるかもしれん。良いところばかりだと思って後悔されても申し訳ないからな。悪いが少し付合ってくれ。」
「セシルたっけて―――!!!!!」
「今ティーダとカインとスコールで遊びに出かけただろうが。」
「_| ̄|○」
「いや、そんなに長い話でもないから大丈夫だ。さらっと済ます。」
「(信じられねぇ…!)」

 

―そんなワケで後日談―

「オークションで届いた傷ありモニターの傷部分は、プラスチック用研磨剤であっさり取れた。」
「マジかよ!! そんなんでなおるのかありゃあ!」
「ようするに段差のせいで光の反射や屈折が変わるから傷が見えるという理屈だ。なら滑らかにすれば良い。」
「なる…。」
「でな、それはいいのだが、廉価版IPSモニターというのは…これはアリシアの方に話したのだが、高級品に施されているムラ補正…ムラコンプというらしいのだが、それが施されていない。で、メモ帳やワードパットなんかを画面いっぱいに広げるとわかるのだが、案外輝度ムラによる色の階調変化というものが目立つ。よく白を観察してみろ。」
「お、なんか右上が緑で左下が赤いか?」
「このグラデーションがかる現象が輝度ムラだ。TN機の方はしらんが、あちらは視野角のせいでそれ以前の問題だから議論のテーブルにも乗らんのだろう。で、中の人の買ったものは、まあ気にし始めると気になるといった具合でなあ。仕事でプロ用を使っているせいだろう。まあクレームつけるつもりなんぞハナからないからオクだった訳だが、せっかく保証期間内だしと気が向いたのでサポセンに電話をしてみたらしい。」
「ほー、電話嫌いで横着なヤツにしちゃあ珍しいこった!」
「3分しゃべったらあっさり引き取り修理になった。」
「判断早!!!」
「引き取りにきた担当者が確認するかと思って部屋の掃除までしたというのに見もしなかった。」
「おいおい、いいのかよそれで…」
「IPSだったからだと思う。最初はTN機と勘違いされてムラの説明されそうになった。」
「よかったな。そんな機会でもなきゃ掃除しねーだろあいつ(笑)」
「全くだ。で、その間代替えモニターを貸してくれてな。同じサイズのTN機だったのが気が利いていたな。2週間経たずに返ってきたのだが、修理報告書に書いてあった診断が『極端な輝度ムラはみられませんでした』で。」
「…。え、あの大雑把人間が気になるレベルだったんだろ…?」
「ああ。だから相当の範囲であれはデフォルトの仕様らしいということがわかった。廉価版IPSはこんな罠も潜んでいるという後日談だな。」
「ちゃんと店頭でメモ帳開いて確認しろってか。本体ついてりゃの話だけど。」
「いや、これは完全に個体差だから正直見ても仕様が無いな。まあ覚悟を決める参考にはなるだろうが。ちなみにそれでもパネル部分を交換してくれたらしくて、返ってきたら完全とは言えぬもののかなりマシになっていたぞ。グラデの方向が逆になっていたから間違いない。」
「問題ねぇのにとりかえたのか! 三菱、豪気だな。」
「まあ地域差やその時電話に出た担当者にもよりけりかもしれんが、三菱は比較的良い対応をしてくれるのかもしれんなあ。と、まあ以上だ。」
「わりといい話だったな最後は。」
「うむ。結局2万5千で新品買ったような状態になった訳だからな。」

「あ、あとアリシアの方の後日談。」
「Σそりゃあっちにしろよ!」
「イラレにフォトショップをリンクさせた画像をご家庭用インクジェットで出力すると、フォトショップ側のプロファイルは実に無意味だな。PostScriptが読めんプリンタだから軽やかに無視された。」
「…。つ、月の民の宇宙語が… (; ̄□ ̄」
「中の人はインデザインにリンクして出してみたんだが、イラレでもきっと同じだろうなあ。家庭用出力の場合は、一つのソフト上で終わらせてしまうのが懸命だと判明した。ああ、PostScriptは印刷言語で、業務用の高価なプリンタくらいしか対応していない。それ故に家庭用は透明機能使い放題だからその点は良いのだがな。印刷とは実に奥深いものだなあ。PostScriptプリンタは結構な確率で透明機能がバグるのだ。だから印刷会社は大抵、透明をつかうな、フォトショならレイヤーを統合しろと言う。」
「俺は何もつっこまね――ぞ―――!!!!」